RFIDって何ができるの?初めての方にもわかりやすく解説!

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基礎知識  HF帯  UHF帯 

このコラムではRFIDを導入検討しているお客様向けにRFIDの特徴やRFIDでできることについて説明していきます。
RFIDは便利そうだけど、どんなことができるの?そんな疑問にお答えする内容となっています。

RFIDとは?

RFIDとは、Radio(無線) Frequency(周波数) Identification(認識)の略語です。
無線通信を利用して物体や人を識別・追跡する自動認識技術です。
RFタグとRFIDリーダー(読み取り装置)の間で電磁波や電波を送受信し、非接触でRFタグの情報を読んだり書き換えを行います。

「RFIDとは?」をより詳しく知りたい方は こちら


RFIDの4つの特徴

一括で読み取れる
バーコードや2次元コードでは、1つずつ読み取るの対して、RFIDは一度の読み取りで複数のRFタグを読み取れるため、検品・棚卸しなどの作業時間の大幅な削減が期待できます。

遠距離でも読み取れる
RFタグは無線通信を利用しているため、遠距離でもデータを読み取れます。特にUHF帯のRFタグは、最大で数メートル離れた場所でも読み取りが可能です。これにより、手の届かない高い棚に置かれた商品を確認することができます。

箱の中でも読み取れる
バーコードでは、商品を開封して一つずつ読み取る必要がありますが、RFIDは対象物が見えなくても、読み取りが可能です。箱に梱包されている商品でも箱の外から読み取ることができます。

汚れても読み取れる
バーコードや2次元コードと違い、RFタグの表面に汚れが付着しても読み取りが可能です。

RFIDとバーコードとの比較

RFIDの特徴は、非接触での一括読み取りが可能な点です。バーコードのように個別にスキャンする必要がなく、電波が届く範囲にある複数のRFIDタグを同時に読み取れます。それぞれの特長を表にまとめてみました。

項目 RFID バーコード 二次元コード
通信距離
~8m ※UHF帯

~数十cm

~数十cm
複数同時読み取り 〇 
遮蔽時の読み取り × ×
書き換え × ×
データ容量
耐久性
汚れに強い

汚れやシワなどで読み取り不可

汚れやシワなどで読み取り不可
コスト
タグコストが発生

印刷コストのみ

印刷コストのみ

 

各周波数帯の特徴

無線通信を行うRFIDはさまざまな周波数帯を使用しています。周波数帯には、LF帯、HF帯、UHF帯などがあり、それぞれ読み取りの特徴が異なります。
そのため使用用途に合った周波数帯を選択することが重要です。

周波数帯 通信方式 読取距離 複数認識 水の影響 金属の影響 用途
LF帯(135kHz未満) 電磁誘導 数cm~20cm キーレスエントリー
動物ペット
HF帯(13.56MHz) 電磁誘導 数cm~50cm 公共系ICカード
セキュリティ管理
UHF帯(860-960MHz) 電波 数cm~8m 在庫管理
入出荷検品

 

RFID導入の課題


バーコードと比較してメリットが多いRFIDですが、一方で課題もあるため導入前にきちんと把握しておくことが重要です。

1.イニシャルコストが高い
RFID導入の課題の一つが、イニシャルコストの高さです。RFIDで管理を行う場合、RFIDリーダ、アンテナ、管理品と同数のRFタグのほか、専用ソフトウェアの開発などバーコードシステムに比べて導入コストが高くなります。

対策➀ 段階的な導入

全体のシステムを一度に導入するのではなく、まずは一部の業務やエリアで試験的に導入することで、コストを抑えつつ効果を検証できます。

対策➁ 費用対効果の検討
RFIDのコストメリットは稼働してから発揮されます。RFID導入による業務効率化や人件費削減の効果を長期的に見積もり、初期費用を回収できるかをシミュレーションすることが重要です。

2.金属や水分の影響を受ける
RFIDは電波を利用する技術であるため、金属や水分の影響を受けやすいという特性があります。そのため水が入ったペットボトルや金属製品にRFタグを貼ると、電波が吸収・拡散されてしまうため読み取りできなくなります。 

対策➀ 金属対応タグの使用
金属に対応した特殊なRFタグを使用することで、金属の影響を軽減できます。ただし、これらのタグは通常のタグよりも高価です。

対策➁ 設置方法の工夫
タグを金属面から少し浮かせて設置する、またはフェライトシートを挟むことで、通信性能を改善できます。

対策➂ 環境に応じた周波数選定

使用環境に応じて、HF帯(13.56MHz)のタグを選ぶことで、水分の影響を軽減することが可能です。

RFIDで何ができるの?


RFIDによる業務効率化の一例をご紹介します。

1.棚卸しの効率化
RFIDを導入する最大のメリットは、棚卸しの効率化です。定期的な棚卸しでは、通常業務を一時中断し、従業員全員で在庫を確認します。この際、帳簿との整合性を保つために、数量を手入力する作業が発生します。RFIDは、箱の中にあるRFタグを箱の外から読むことができ、さらに複数のタグを同時にスキャンすることが可能です。そのため、箱を開けて中身を確認する必要がなくなり、一点ずつバーコードをスキャンする手間も省けます。RFIDを活用することで、商品データを一括で確認でき、在庫管理の精度と効率を大幅に向上させることができます。

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2.検品の効率化
RFIDの導入により、材料や部品、商品の検品作業も大幅に効率化できます。従来の方法では、段ボールを開封し、内容物を納品リストや出荷リストと照合しながら、必要に応じてバーコードを一点一点スキャンする必要がありました。しかし、RFIDを活用すれば、段ボールを開けることなく内容物を確認でき、一括読み取りによって作業時間を大幅に短縮できます。これにより、入荷・出荷検品の効率向上が可能になります。さらに、物流倉庫などでは、リーダライタを搭載したゲートを設置することで、対象物が通過するだけで自動的にデータを読み取るシステムの構築も実現できます。

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3.備品の紛失防止
備品の持ち出し管理において、RFIDは非常に効果的です。特に、社内で使用する情報端末や書類、工具といった重要備品の管理においては、従来の紙台帳に手書きで管理する方法が一般的ですが、この運用方法にはいくつかの課題があります。まず、記入漏れが発生することがあり、これにより備品が返却待ちなのか、紛失しているのかが不明確です。また、現状の在庫状況が不明瞭であるため、必要な時に必要な備品が手元にないという事態も起こり得ます。業務効率を低下させるだけではなく、企業のリスク管理にも影響します。そこでRFタグを備品に取り付け、持ち出し時にリーダーで読み取ることで、誰がどの備品を持ち出したかを正確に記録します。これにより、紛失や盗難のリスクを大幅に軽減できるだけでなく、管理の手間も大幅に削減されます。

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RFIDを使用した課題解決はタカヤへ

タカヤは、25年以上にわたりRFIDリーダライタを製造してきた老舗メーカーです。当社は、信頼性の高い製品を提供するだけでなく、迅速に対応できるサポート体制を整えています。充実した製品資料や貸出用デモ機器は、国産メーカーならではの行き届いたサービスとして、多くのお客様から高く評価されています。またRFID技術は、施設の入退場管理、工場の工程管理、倉庫の入出荷検品など、さまざまな分野で活躍しています。私たちは、RFID技術を活用したデジタル化や業務改善に取り組みたい企業様に対し、最適な活用法をトータルで提案いたします。業務課題が明確になっているお客様、既存の運用に問題を感じているというお客様も、ぜひ一度タカヤにお問い合わせください。

 

 次回コラム「HF帯RFIDとは?その特徴を解説」を配信予定

 

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